チロルのブログ

平凡な主婦が時に役立つこと、時にあまり役立たないことを綴ります

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母との距離感(後編)

私は結局母との心の距離感が埋まらないまま、

結婚し出産しました。

 

子どもが1歳ごろになるまでは、育てるのに必死で

色々な事を考える余裕がありませんでした。

 

けれど、子どもが1歳を過ぎたあたりから、

少しずつ歩けるようになり、

少しずつ赤ちゃん言葉を話すようになり、

少しずつ自我が芽生えて、コミュニケーションに手ごたえを

感じるようになりました。

 

 

嬉しいなと感じると同時に、大きな不安を感じるようになりました。

 

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押し寄せる大きな不安

 

振り返ると、胸がチクチクするような思い出ばかりが

よみがえる子供時代を送ってきました。

そんな私がちゃんと子育てできるだろうか。

私は母のような親にならないだろうか。

いや、すでにもう母のようになっているのでは・・・

という不安が常に付きまとうようになりました。

 

誰かに大丈夫と言ってもらいたい

 

子育てを通して親しくなった人も出来ましたが、

彼女たちに心を開いて自分の話をすることは出来ませんでした。

心のどこかで、私とは違う。

ちゃんと立派な子育てをしている。

大切に育ててもらったから、ちゃんと子育て出来るんだ。

と彼女たちを見ながら何度も思いました。

 

そのうちに、私が母親だなんて申し訳ない。

私の子供に生まれなければもっと幸せになれたのかも。

といつも思うようになりました。

子どものダメなところはみんな私のせいでそうなっているんだ。

そう思うようになっていました。

 

何とかしたいと思うけど、どうにもならないモヤモヤを

いつも心に抱えていました。

 

素敵な出会い

 

自分を変えるべきなのは分かっているし、

何とかしたいとも思うけど、何をどうしたらいいのかが分からない。

結婚前もさんざん悩んで、神社に行ったり、

怪しいカウンセリングを受けたりしたけれど、何も変わりませんでした。

 

 

そんな時「負ける勇気」という

本の大流行と共に「アドラー心理学」というものに

出会いました。

「アドラー心理学」を知った私は本の中の知識だけでなく、

実際に誰かから教わりたい。

そう思うようになりました。

 

そんな時、「アドラー心理学」をベースに

色を使って人間関係の困りごとを解決するという

「カラーメンタリング」というものに出会いました。

 

人間関係の困りごとが解決されるというキーワードに惹かれ、

受けてみることにしました。

 

正直、そこまで期待していませんでした。

私の母や妹についての悩みは30年以上にわたって悩んでいることで

そんなに簡単に解決できるとは思っていませんでした。

 

 

母の真意を知る

 

「カラーメンタリング」では人間を10種類の色のキャラクターに分け、

そこかから関りを見ていく。というものでした。

私は妹と母の色を見てもらいましたが、見事に私が苦手とする

色でした。

この色をもとにいろいろとお話ししていくうちに、

私の母の真意を知ることになったのです。

 

母が私にきつく当たったり、ひどいことを言う理由

 

それは、母自身の劣等感や嫉妬によるものでした。

母は私と同じく二人姉妹でした。

母は次女で、上には3歳年上の姉が居ました。

この3歳上の姉はとても頭が良く、周囲から一目置かれる存在でした。

人柄も優しくいつもみんなに慕われる存在でした。

一方母は、どんなに努力しても姉にはかなわない。

「○○の妹さんだからと期待したけれと、全然大したことない」と

面と向かって言われたこともあったそうです。

性格も姉とは正反対。

いつも、劣等感と嫉妬心の塊のように過ごしていたようでした。

目の上のたんこぶ状態の姉。

次女としていつもないがしろにされ、バカにされてきた自分。

母はそんな姉が大嫌いでした。

 

その話をカウンセラーさんにした時

「分かりましたよ。お母さんがあなたに酷く当たる理由。

お姉さんにできなかった仕返しを、無意識にあなたにしていたんでしょう」

というようなニュアンスの言葉をかけてくれました。

 

その言葉を聞いて何だか

私のすべてが解放されたような気持になりました。

 

ずっと私が悪い子だから、母は私を好きになってくれないんだ。

私が母の言うとおりにできないからダメなんだ。

母をもっと大切にできないからダメなんだ。

といつも自分攻めばかりしていました。

 

けれど、私がどんなに頑張ったって私が長女として生まれたことを

変えることは出来ません。

私の性格云々ではなく、もうその存在自体が疎ましく

感じているのなら、私に出来ることは何もありません。

 

このカウンセラーさんが言ってくれたことが本当かどうかは

母に聞かなければ分かりません。

 

でも、私はこの答えを自分の中の真実とすることに

しました。

 

ずっとずっと悩み続けた母との関係。

今はこの真実を知ってからずっと楽に母と関われるように

なりました。

母が優しくなったとか心を入れ替えたなんてことはありません。

 

けれど、私は自分の心を守るすべを手に入れました。